「……」
サァッと男の人が青ざめた
「こんな…女いらねぇよ!!」
「ヒャッ!!」
ドンと、泰我のほうに押された
「…アイツ、依千花のこと……そんな女って言ったな……」
なんて、小声で言ってた
「依千花、ちょっと…」
泰我に手をひかれる
人込みをかき分けて、ロビーに出た
そこで、泰我が私のほうを向いた
「依千花…ホント、心配させんなよ……」
はぁ…とため息をつきながら、泰我が言った
「……泰我…」
「ホント…あせった……」
私の頭をクシャクシャと撫でた
「…泰我、ごめんなさい……」
でも…
でもね………?
「だけど、泰我のお母様に……認めてもらうには、マナーが…大切って…」
「マナーより、依千花自身が心配なんだよ!」

