浩之は踵を返すと、硫酸の箱を置いたところへ戻った。

 空瓶の詰まったほうのダンボールを持ち上げて、持って返ろうとすると、ドアが開いた。

 皐月さんだ。

そのまま、ドアを大きく開けてくれた。

「ご苦労様」

「ありがとうございます。失礼します」

 
オレは何をやったんだ。


 ダンボールを抱えて帰りながら、思った。