電話はひつこくなり続けていた。

浩之は、ネックレスを、シャツの下に戻した。

誰からの電話かは、だいたい予想できる。

だから出たくなかった。

コールは十回目。

あと五回鳴ったら勝手に留守電に切り替わる。

仕事に行く前に留守電をセットしなかったことが悔やまれる。

それさえしておけば、数回のコールを我慢するだけですんだのに。

浩之は布団に顔をうずめた。

あと三回、二回、一回。