恋するウサギ

慌てて地面に下ろす。

「そこまで気がつかなかった。」

謝る彼を見てなんか楽しくなる。


「大丈夫だよ。

田辺くんには世界があんな風に

広く見えるんだね。」


「でも、キナちゃんの目線も

鮮やかで楽しいよ?」

中腰で彼が言う。

そうか、膜を張らないからか。

素直にストレートに触れる。