恋するウサギ

ゆらゆらと手を繋いで歩く。

さっきより少しだけゆるい速度。


「ねぇ、田辺くんには景色がどう見える?」

「キナちゃんには?」

「あたしには目の前の人の

カラフルな服ばっかりだよ。」


ふぅん。

そう言って繋いでいた手をほどく。

ふわりと急に宙に浮く感覚。

持ち上げられてる、って気付くのに

ちょっと時間がかかった。