アタシの弟。




「まっ…待ってくださいよぉぉぉ!!!」



それを椿ちゃんが追いかける。


━━…16回目の秋の訪れだった。


まだまだ残暑の残る、暑~い季節。


…少々、走りすぎたあたしたちは………、



「あづー…」

「死ぬよ溶けるよ焼けちゃうよー…」

「本当にそんな勢いですね…」



…遅刻ギリギリで校門到着。


走りすぎて汗ダラダラ…。


いくら何でもこれは暑すぎますよ。



「見て見て!
今日、瑠唯様と登校してたのよ!?」

「いくら姉弟だからって…
生意気よね?」



…あら。


お元気ですこと。


私、そんな言い返す気力もございませーん。


まぁお呼びだしとあらば別だけど。



「ちょっと結城さん。
いいかしら?」



…はい、きましたー。


お呼びだしです、お呼びだし。



「ここじゃダメなんですかー?
あたし、わざわざ移動する気、ないんですけど。
ましてや、あなたたちのためなんかに」



素直に『はいはいはいはい』なんて言ってて、たまるかっつーの!


なんでこんのくそ暑い時にお前らのために動かにゃならんのじゃー!