アタシの弟。




婚約者!?


あたしたち、まだ16だよ!?


16っていうか………


高1なんだよ!?


未成年だよ、未成年!!!


しかも、確か………


椿ちゃんに至っては、まだ15のはずだよ…?



「あ、言ってませんでした?
私、婚約してる方がいらっしゃるんです」



婚約って…、結婚を約束してるってことだよね?


15歳で結婚って………


実際にありえることなの…?



「その相手って、他校?」

「はい。
とても素敵な方ですよ。
あっ、そうです!
今度、美咲様と雅様もお会いしていただけますか?」

「喜んで!」

「もちろん!」



会ってみた━━━い!!!


素敵な人なんだろうなぁ…。


椿ちゃんの婚約者の人だもん。



「付き合って何年目?」



訊いたのは、言うまでもなく美咲。


美咲、こういう話になると食いつきいいからね。



「まだ正式には2年目です。
私や彼が幼い頃から決められた婚約だったんです。
でも、私には婚約する気なんてなくて…
相手の顔さえ見てませんでした」



あたしや美咲は椿ちゃんの話に黙って聞き入った。