「椿ちゃん、結城くんの話になったら一生懸命だけど…
結城くんのこと、好きなの?」
なっ…なぬぅぅぅぅぅ!?
小悪魔な微笑みで椿ちゃんに訊いた美咲…
…怖いよ……、その微笑みが…
恐る恐る、椿ちゃんの顔を見た。
口を開けてポカーンとしていらっしゃる!
大丈夫!?
かんなり呆然としてますよ!?
「私………」
えぇ!?
言っちゃうの!?
…怖いよぉぉぉぉぉ!!!!!
だって、椿ちゃんが恋敵なんてあたし勝ち目ないじゃない。
椿ちゃん、正真正銘お嬢様で、清楚で控えめで礼儀正しくて………
それに加え、すっごく可愛い。
大和撫子って感じ。
…あたしなんて、ほんと勝ち目ない………
「瑠唯様が理想なんですよね。
理想の王子様って感じです。
…でも、好きとかじゃないんです!
第一、あたしには婚約者が…」
「へぇ…、そっかぁ。
瑠唯はただの理想か~」
よかったぁ………。
瑠唯はただの理想ね。
うん、それはよかった~。
………って……………
「「婚約者!?」」
…今度はあたしと美咲がハモった。

