高校1年だった私は、貴方のことが気になってあの馬鹿でかい学校の中から一生懸命探したんだ。


けど見つからなかった…


ある日、体育館で部活紹介が行われた。


うちの学校は皆が皆、部活に入らなくちゃいけない学校だったんだ。


私は正直、すんごく面倒くさかったんだ。


だから適当な部に入ろうとしてた。


友達の瑠璃は、中学生の時、吹奏楽部でトロンボーンを吹いてたらしく高校に入っても続けたいと言っていた。


私は中学の時、美術部に入っていたけど、何の動機もなく「友達が入るから私も入る」と言った不純な動機で入ったため、やることもなくいつもサボってたんだ。


何の才能もない私は、部活に入るという事が何よりも嫌だった。


運動も特に好きでもなく、逆に嫌いな方で運動部には入る気がなかった。

そんな中、色々な部活紹介が行われていった。


司会らしき人が、


「サッカー部の皆さん、ありがとうございました。続いて野球部お願いします。」


と言ったその時、


聞き覚えのある人の声が聞こえてきた。


今まで、部活紹介なんて全く聞いてなくて、むしろ下に俯いていた私。


聞き覚えのある声がした瞬間、私は顔を勢いよく上げた。