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チチチチ…


晴れ渡る青空に戯れる小鳥。

眩しいほどの太陽の光を浴び、黄緑に輝く木々たち。


 岩肌が剥き出しになっている山に囲まれている、森の中に佇んでいる大きな建物の一室を覗くと、そこには、こんな清々しい朝なのにまだベッドでもぞもぞしている人間が居た。


「――…キル、入るぞ」

数回ノックした後、その部屋に入ってきた青年は真っ直ぐにベッドに近寄る。

「おーい、もう朝だぞ?起きろー」

 青年は、ベッドで寝ている人間の肩を揺らした。


「…るせーよ……ほっとけ、バカ」

布団から聞こえる微かな声の主は、まだ起きる気は無いらしい。その意思表示として布団を頭まで被ってしまった。


「ふぅ…。そっちがその気なら、少々手荒なことしても仕方ないよな?」


青年は布団をガッと掴むと、思いっきり引っ張った。