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――…時は過ぎてお昼時。

 キルテはもうすっかり観念して大人しく少女たちの相手をしていた。

「ほら!お兄ちゃん!セツカ、うさぎさん描いたよ!上手でしょ♪」

「うさぎさんならセツナも描いたよぉー!」

「…お前ら、それのどこが兎なんだよ?兎は二足歩行しないっての」

「「お兄ちゃんひどーい」」


――…コンコン。

 ノックの音。三人は皆で、はーいと返事をする。


「楽しそうだね」


エークが部屋に入ってきた。

「「水色のお兄ちゃん!」」

 少女たちは自分達が描いた絵を持って、エークに駆け寄る。

「お兄ちゃん聞いて!銀色のお兄ちゃん、セツカたちのうさぎさんの事、へたくそって言うんだよー」

「セツナたち頑張ったのにぃー」

「へぇ、ちょっと俺にも見せてみて」

 少女たちから絵を受け取ると、エークは絵に視線を落としてから、キルテをちらっと見て、笑みを浮かべながら少女たちに視線を戻す。

「可愛いうさぎさん達だね。俺は上手いと思うよ」

「「ほんと!?」」

 エークの言葉に瞳をキラキラとさせる少女たち。二人で喜びを分かち合っている。