顔を背けたついでに、キルテはさっき吹き飛ばした男たちの一人を横目で見た。

「そういえばこいつら何だったんだ?」

キルテは、指を差してエークに訊いた。

「多分、金品目的の盗賊だろう。こんなところまで来るなんて、相当困ってたんだな」

「こいつらが盗賊か…なぁ、こういう時ってどうするんだ?」

「こういう時って?」

エークが首を傾げる。

「こいつら、このまま放っておいていいのかって事だよ」

「ああ。それなら三種類、対処の仕方があるけど」

「三種類?」

今度はキルテが首を傾げた。

「一、もう誰も襲えないようにと銘打って、その人達の装備を全て剥ぎ取り、次の町でそれを売って金にする。

二、警備隊にそのまま引き渡す。と言っても、警備隊宿舎まで引きずってはいけないから、木にでも縛って狼煙を上げるだけだけど。

三、手下にしてこの先、馬車馬の様に働かせる。この場合、もしもの時はおとりにできるな」

「…で、どれにする?」

 エークは改めてキルテに訊いた。


「………二で」

 キルテは何だか世界が広いと言うことを痛感した気がした。