「…失礼します」

「入れ」


 朝食を済ませ、族長室に足を運んだキルテたち。

扉を開けると、部屋の中はとても重々しい空気に満ちており、そこには族長と昨夜のリーダー格の男が居た。

「こうして、二人に来てもらったのは他でもない実は――」
「寝坊して集会に遅れてすみませんでした」

「そうそう、ほんとに困るんだよねー集会はちゃんと来てくれないと…ってそうじゃないだろ!」

 族長の威勢のいいノリツッコミに、エークは顔を上げる。


「…じゃあなんだよ?」

キルテの方は相手が一族の長なのにも関わらず、その紅玉の様な色の眼で睨み付けた。

「お前…!族長に向かってなんという!!」
「待て待て。元気があっていいじゃないか」

族長は男を宥めると、一息ついてから話始める。