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「……」

 対するキルテは食堂にも行かず、自室のベッドに横たわり天井をぼーっと眺めていた。


――…コンコンッ

部屋の扉をノックする音。
キルテはその音に反応すると、自身の身体を起こし扉に向かって投げかける。

「…エークか?」

「あたり」

 エークは扉を開けて中に入ると、朝食のトレイをテーブルに置いた。

「ほら、キルの分。たまには食堂に来て、皆で食べたらどうだ?」

「るせー」

 キルテはベッドに座ったまま、テーブルに置いてある朝食のパンに、手を伸ばすと乱暴に口に入れる。

「……」

「……なんだよ」

キルテは何故か見てくるエークの視線に気付き、パン一つを食べ終えてから訊く。

「いや、やっぱり髪が絡まってるのが気になって…」
「だから余計なお世話だっての!」