ほとんどの生き物が寝静まる冷たい夜の時。

ゴゴゴゴゴゴ…と
いつもは静かなはずの闇に、重く轟く地響きの音がした。


「気をつけろ!!」

「こいつ、毒気を放ってやがる…!」


――広々とした森に存在するは、小さい丘ほどはある巨大な魔物…と一定の距離を保ち、それを円形に取り囲む人影。


「こいつは稀に見る大物だな」

「久々に腕がなるぜ」


 自分達よりも遥かに巨大な魔物を目の前に、逃げるどころか戦を仕掛けようとする者たち。

そう、この彼らこそが自ら戦いの場に身を投じ、戦いの中でこそ生きる意味を見出す事ができる種族…



【戦場の民】だ。