『ご家族の方…ですか?』


『は…い。』

声にならない声のまま
出来る限り出した。


お父さんを目の前に
たくさんの医者が
囲んでいる


『我々も最善を尽くしました。
…ですが』

呆然と立ち尽くす私達に
医者は喋り続けた。

『残念ですが、お父さんが息を戻すことはありません…。』



『なんで…ねぇ佳那斗?
嘘だよね?
嘘だっていってよ…

誰でもいいから…っ』


泣き崩れる私を
佳那斗は抱きしめる。


『イヤだ…
なんでお父さんなの?』

私はこれでもかとばかりに
泣きつづけた。


そしていつの間にか
佳那斗の腕の中で
眠った。



それから
朝になっても夜になっても
お父さんが
起きることはなかった。