同じとき 家の前で。






『此所からは真面目な話。
真剣に答えて!

素直に答えてくれれば
難しい質問じゃ
ないよ。』





今まで 子供っぽかった笑顔が消え
背筋がヒヤッとした。




『わ…わかった。
どうぞ。』




『佳那斗くん自身
父親になりたいって
願望はあんの?』





『…あるよ。
まぁ最終的に決めるのは
亜姫菜だから
何も言えないけどね。』







『あっそうなんだ。
じゃあ亜姫菜チャンが
オろすって言ったら?
それでもいつか
結婚したいって
思える?』







『…何で結婚?』






『親になるなら
夫婦になるのは当然。
愛し合っていけるなら
結婚するのは当然でしょ?』






そう言われて
はじめて気づいた。




確かにそうだ…。






『確かに……。
じゃあもしかして
拓夢と美姫菜ちゃんは
結婚してるの?』






『もしかしなくてもね!
まだ式はしてないし

高校卒業したらかな?
正式に儀式的なのが
終わるのはね。』





そうだったんだ。
知らなかった。




『佳那斗に亜姫菜チャンを
守り抜く意志があるなら
プロポーズしろ。』



僕に亜姫菜を守り抜く意思があるなら…


『あぁ。
自信をもって言える。』