『じゃあ亜姫菜、
お父さんは会社に
行ってくるぞ!』


『いってらっしゃーい』


何の変わりもない会話

でも、
私には母親がいない…。
いないと言うか
記憶にないし
写真もない。

聞きにくいから
あえて聞いたことはないけど。

でもね…
そんな私の中に
新しい命があるの。

私の最愛の彼氏
佳那斗との愛の証…。

だけど、
正直迷ってる。

私には母親がいなくて
何で私を産んだの?と
疑問に思い続けていたから。
そんな私が
母親になれるのか。
という不安。

それに…

私と佳那斗は
まだ高校三年生…。
まだまだ未熟な子供。

お父さんに佳那斗が
報告したとき
内心不安だった。

でも
『二人の人生が
この選択で決まるから
私はなにも言わないよ。』

と優しくいってくれたのを
今でも覚えてるよ。


私はお父さんが
大好きだ。

小さいときから
よく遊んでくれて
色々な所に連れていってくれた

だから余計に
お母さんが信じられなかった。

まぁそんなことを思いながら
朝の時間を過ごしていると

『亜姫菜~』


佳那斗だ。

『待ってー。
今いくからさぁ!』


佳那斗には正直に話した。
ぶっちゃけ
あまりにも急すぎで
二人とも悩んでいた。


でも私はというと
佳那斗の顔を見れただけで
落ち着くと言うか
なんというか…
ほっとする。




そんなこんなで
毎日が甘く楽しく終わっていく。


多少悩みはあるけど。