『BE YOU』

「はあ・・・・」


白い息と共に吐き出された深いため息が、
力なく顔の周りを包んだ。


隣を歩く長身の姿を少し恨めしい思いで
睨んで、制服の裾を引っ張る。


「瞬ちゃん。先に行ってる」


まったく、なんでいつもいつも
こんな感じになっちゃうのかな。


不思議そうにあたしを見下ろした瞬ちゃんは、
顔を上げると「またか」と言わんばかりの
表情で小さく頷いた。