あたしの髪を指で梳きながら、ポン、ポン、と一定のリズムを取って背中を叩いてくれる振動が心地いい。
あまりの心地よさにウットリしていると、耀太の程よく低い声が聞こえてきた。
「例え伝説なんてなくても、俺は楓を一生離す気なんてねぇよ?」
「……うん」
「たまにガキみたいなこと言うけど、楓は俺に一生ついて来てくれる?」
「……うん」
「そっか…、絶対に幸せにするから」
「……うん」
「じゃあ……もう1Rヤっとく?」
「……うん……んっ!?」
………もう1回!?!
すべて夢心地で答えていたあたしは、パッと顔を上げて慌てて体を離そうと試みた。
だけど、いつの間にやら耀太の腕はガッチリあたしを包み込んでて。
「……ちょっ…!?」
「真っ裸で抱き着いてくる楓が悪い。
半年間俺が我慢した分、受けとって?」
そうニッコリ微笑まれて、まだ力の入らないあたしには成す術もなく。
気づけば、またベッドに組み敷かれてた。
うぎゃ〜〜〜!
もうムリ〜〜〜!
「お願いっ…!また今度ってことで!!」
「えぇー、俺、誕生日なのに?」
「また来年あるでしょーが!」
「まさか、来年までまたお預け!?
ひどい……」
「………そんなわけじゃないけど」
ガックリ肩を落とす耀太を見兼ねて、あたしが思わずそう漏らすと、
チュッ−−−
軽く触れるだけのキスをして、耀太はまた横にゴロンと寝転がった。
「……冗談だよ」
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