不安な気持ちで瑞穂の様子を眺めていると、みるみるその表情が教師?のような顔付きに変わった。





「なに言ってんの…… 言っとくけど、ラブホで処女喪失なんて大勢居るよ」




表情だけでなく、大声で熱弁をふるい始めた瑞穂。




誰も居ない2階席にしといて良かったと、この時あたしはつくづく思った。





「っていうかさ、備品とかもちゃんと揃ってるし、リーズナブルだし、結構綺麗だし、全員その目的で来てるんだから誰かに会っても開き直れるし、ラブホ以上にHするのに最適な場所はないって!」



「そ、そう……?」



「あたしが言うんだから間違いなし」





グイグイ顔を寄せてくる瑞穂に若干引きつつも、だんだん、そうかもって思えてくるから不思議。





あたしの意思を耀太に示すのにも、ちょうどいいのかもしれない…………多分だけど……





しばらく考えて、まだこっちを見てる瑞穂にあたしは大きく頷いてみせながら言った。





「わかった…… さっきのとこに決める」



「よし!健闘を祈る」



「うん!頑張る!」








こうしてあたしは、初めてのHを、“そんなバナナ!?”に託すことに決めた。






一応言っておくけど、ネーミングは寒くても、“そんなバナナ!?”も外観は綺麗だったんだからね!







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