「ほらほら、行くよ……」
呆然と立ちすくむあたしの腕を、瑞穂がグイッと引っ張る。
「え…え…えぇ!?!」
「早く早く」
こっちのことなんてお構いなしで歩く瑞穂は、どこか楽しそうで。
………っていうか!
「あそこになにしに行くの!?」
「なにって……偵察??」
「てっ偵察っ!?!」
足がもつれて上手く歩けない。
それどころか、口ももつれて頭の中ももつれてしまって大・大・大パニック!!
だってだって!
あたし達が歩いてる先には……
チカチカ キラキラ ビラビラ(?)
ラブホがいっぱい立ってるんだもんっ!!!
ヒョエエエ〜!?!
こんな間近で見たの初めてなんですけどっ!!!
ピンクやら、ブルーやら、グリーンやら、とにかく妖しい光を放つその建物達を、あたしは口を半開きにして眺めた。
ま、眩しい……
そんな場所を、仲良く?手を繋いで堂々と歩くあたし達に、周りが奇異なモノを見るような視線を注いでいるのに気づくまでは。
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