それからしばらくは気まずい関係になってしまったけれど、やっぱりそこは昔から知ってる仲だけあって、1週間ほどで元の関係に戻ったあたし達。
しかも親には付き合ってることバレバレだったし。
おかげで開き直れたし、前以上に2人っきりになれる時間も増えていった。
だけど−−−
どうしても、キス以上には進まないあたし達の関係。
というより、それ以上のことを耀太が求めてこない、と言う方が正しいかもしれない。
キスをする度に、心の中であたしは何度も覚悟してきたのに。
多分、あの日のことを、耀太は引きずってるんだと思う。
あたしはね、別にもう許してるんだよ?
そりゃ、せっかくの雰囲気をぶち壊した耀太の言葉にはまだムカつくと言えばムカつくけど……
そんなの気にしてたら、いつまで経っても平行線のままだし。
そうこうしている中で、あたしはあの発言をした。
『耀太の誕生日には−−』
皆の前で言っちゃったのは失敗だったと今でも思う。
なにげに自分でハードルを作っちゃったみたいで。
だけど−−−
だけど、きっとね、神様がくれたチャンスなんじゃないかって思うようになった。
あたしから耀太を誘うには持ってこいの、最高のシチュエーションなんじゃないかって。
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