2人並んで歯を磨き、そして当たり前のように2階に上がる。
その行動一つひとつがあまりにも自然過ぎて、なんだか同棲してる気分になってしまう。
カチャリと音を立ててあたしの部屋のドアを開けた耀太は、「暗っ…」と呟いて素早く電気を点けた。
いやいや、これまた手慣れた手つきだこと。
「………で…」
「ん?」
「俺もあそこで寝ていいのか?」
遠慮がちに耀太が見つめる先に、あたしのベッドを見つけて、一気に緊張してしまった。
「…え、えっとぉ……」
だからさっきからそれを言おうと……
そんなあたしをしばらく見下ろしていた耀太だけど、
「いいんだよな……?」
その顔がだんだん近づいてきて、あたしの視界一杯にちょっぴり意地悪な笑みが立ちはだかる。
「う……いや…あぅ……」
「ダメ?」
今度は子犬ような目で見つめてくる耀太。
ダメ……じゃない……
あたしはもう首を振るだけで精一杯だった。
「……おいで…」
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