母親2人の過激な言動は、愛情の裏返し、という結論に至ったあたし達だったけども。
なんとも後味が悪い気がしてしょうがない。
このまま2人の目論み通りに、耀太とHするのもねぇ……
「はぁぁぁ…」
あたしがため息を漏らしかけた途端、それを遮るような盛大なため息が聞こえて顔を上げると、同じように悩んでいるのか、耀太がアノ手紙を手に頭を掻きむしっていた。
「よ、耀…」
「あっ??」
「………ぅ…」
……そんな怖い顔しないでよぉ……
しかめっ面の耀太に、お布団どこにひこっか?なんてとてもじゃないけど聞けなくて。
再び口をつぐんで俯くあたしを、手紙を置いた耀太が覗き込んでくる。
「どうした?」
「えっとぉ、お、お布団……」
「あ−-…眠いのか?
……って、もうこんな時間か……」
つられて見上げた時計は、短針と長針が仲良く重なるところだった。
「ホントだね…、もう12時だ……」
「寝る、か……」
それだけ言うと、リモコンを手にした耀太は、淡々とした様子でテレビの電源を落としている。
どうするの……?
どこで寝るの……?
その広い背中に、やっぱりなにも言えないあたしは、無言で後をついて行った。
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