………ただ…?
先を促すようにあたしが見つめ続ける中、眉をしかめて耀太は何も言わずに俯いた。
まるで、言うかどうか、まだ迷ってるかのように。
「ただ、なに?」
そんな耀太の横に腰を下ろしながら、その横顔を覗き込む。
その瞬間、伏せられた長い睫毛が、ぴくりと小さく反応した。
「聞いて驚くなよ?」
「え……うん…。努力する」
驚くな、と言われて、うんと言うほどあたしは素直じゃない。
だけど心臓だけは、素直にその言葉に反応した。
ドッキン ドッキン
な、な、なに……?
「最初は意味がわかんなかったんだけどよ……、さっきの手紙で繋がった……」
だから、なにがよぉぉ……
「送られてきたブツっていうのが、なんて言うか……、保健体育的に言うと……」
………はい??保健体育……?
ますます混乱する頭で、すぐそばの耀太を見つめる。
すると耀太は、顔を上げてまるで教師のような口ぶりで言った。
「俺が言わんとすること、まだ理解できないか?」
だーかーらー
「なにが?」
あたしが頭悪いの知ってるでしょ!
だんだんイラっとしながら、回りくどい言い方をする耀太にぐいっと詰め寄るあたし。
「はぁぁ… やっぱ、言わなきゃわかんねぇか…」
「当たり前でしょ!荷物の中身はなんだったの!」
「………避妊具…」
「………えっ…?」
「だからっ コ〇ドームだっ!」
真っ赤な顔で唸るように言い放った耀太は、盛大なため息を吐き出しながら両手で顔を覆ってしまった。
…………って、
「コ、コ、コ……」
ええーーー!?!?!
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