あたし達は
車の後ろに隠れて、
息をひそめていた。

五分は経っただろうか。

武藤の姿は見えない。

『茉莉!何が安全な帰り方よ!?裏庭が一番危ないじゃん!』

『ごめん、いずみー。
だって、さすがに職員室から丸見えなんて思わなかったんだもん!』

『いや、そこはちゃんと確認しようよ‥』

あたしは苦笑いしながら二人の言い争いに耳を傾けていた。