BLACK 〜それでも君に出会った〜

番号を交換した後、目線を時計に向けた。

もぅ11時を回っていたから、帰らなくちゃいけないと思った。

茉莉に伝えようと思い、口を開こうとすると、

『そろそろみんな時間やばいんじゃない?』

浩司くんは、あたしの仕草で察知してくれたようだった。

茉莉はまだ大丈夫だと言い張っていたけど‥

翼くんに、

『高校生をそんなに遅くまで引き止めるのは非常識だから、また集まればいいよ』

と言われて、納得したようだった。

(やっぱり大人だなぁ‥)

あたしは、そんな風に気遣えるところにも心底感動した。