吉野は過去を思い浮かべながら苦笑いした。

 『池田にさえ会わなければ、
サクラナを忘れられたかもしれない。
 しかし、もう遅い。いまはただサクラナを……。
よし……。』

 吉野は弘子から貰った紙片を握り締めると

サクラナに会いにいくことを決心した。