珍客は重なるものだ。
竹藪で娘を拾った翌々日。都から、いや、俺のかつての古巣から、思い出したくもない顔がやってきた。
「遠いじゃねえかバカヤロー」
いきなり、頭痛がするほど懐しい蛮声。俺の元上官、〈青狐の頭目(かしら)〉は、俺の俺小屋に入るなりまっすぐ上座の俺席に腰を下ろしてふんぞり返った。