夜  話  

そこには。



青年と呼ぶには、少し早く。


かと言って、少年と呼ぶには大人びた。


一人の男性が、まるでそこが地面の上であるかのように、なにもない空中に、浮かんで立っていたのでした。


その肌は、月の光に染められたように、白く輝き、黒曜石のようにつややかに光を弾く髪。そうして、どこかの国の民族衣裳のような、襟のつまった上着には、びっしりと、丹念に銀糸を使って刺繍がなされていて、かけられた手間と時間に、胸が詰まりそうなほどの想いを感じました。