夜  話  

「まあ、雨が降っていたところで、俺達は濡れ鼠になることはないけどな。」


得意気にそう語る皎を見て、いつも突然に巻きおこる風と共に姿を消してしまう事を思い出したわたしは、きっと皎達はその風を操る能力を利用して、雨に濡れないで居られるのだろうと結論付ける事にしました。


「貴方なら、どんな姿になったとしても女性達の心を掴み取れるのでしょうけどね。」


くすっと笑いながらわたしが言うと、皎は心から嫌そうな表情を浮かべました。