夜  話  

女は、月の光で得た美声で、その歌う場所を大きな舞台の上へと変え、有名な男性歌手とパートナーを組み、かけられた歌劇の看板歌手としての地位を得た。



なのに。



女は、ランに言ったんだ。




もっと。


もっと、ちょうだい。




月に一度の月の光では足りないと。





女は、そう言ったんだ。