夜  話  

「貴方の唇が言葉を発することがないとしても。
わたしには貴方の想いを汲み取れると思うの。」


多分。


いいえ、きっと。




それは、愛の奇跡などというものではなく。


貴方がわたしに託してくれた貴方の心をわたしが預かっているからなのです。


「貴方の言葉をまた聞く日までは。
わたしの心の中に訪ねれば、貴方の気持ちに逢えるのよね?」


訊ねるわたしに答えるように、小さな口からは声があがり。


わたしの中には。


『そうだな』


という、皎の声が響きました。