夜  話  

「風にあたると身体を冷やすよ。
そろそろ窓を閉めた方が良くないかい?」


開け放してある窓に気付いたその人は、閉めておこうか、と気遣ってくれました。


「ありがとうございます。
ですけど、この子にこの景色を見せてやりたくて。」


お礼を言ってわたしはそれでも、そのままにしておいて欲しいと伝えました。


わたしはもう少し、この景色をふたりで楽しみたかったのです。


「そうかい?
それじゃせめて。」


その人はそう言いながらベッド脇の椅子に置いてあった藤色のカーディガンを手に取り、わたしの肩に着せかけてくれました。