夜  話  

「貴方と離れたくないと。
それがわたしの望みだわ。
もし、それが貴方と同じならば………」


わたしは言葉を切って、皎の瞳を覗き込みました。


揺れる想いを映す湖面のようなその瞳は、気のせいか潤んでいました。


「………離れたくない。」


小さな子供のように、皎が言います。


「もう、諦めて風になりたいだなんて思いたくない。
抱き締められたい。

………そして。
呼んでみたいんだ。」


『お母さん』、と。


そう、口にはしませんでしたが、皎の口調からはその想いがにじみ出ているようでした。