夜  話  

「切なくて。
哀しくて。
だけれども、わたしの大好きなお話だわ。」


そして、このひとつき。


皎の事を考える度に、思い返していたお話でもありました。


母親の腕を知らず、住む世界を違えたのが月の乙女達であるのならば。


ならば、月の使いを名乗る皎達。


少年達は。


どういった存在なのでしょうか。


皎の事を知りたくて。


少しでも近づきたくて。


皎の心に寄り添えるようにと。


このひとつきをわたしは。


そんな事を考えながら過ごしてきたのです。