夜  話  

ぶっきらぼうなくせに優しい皎は、尋ねてしまう事で友人の心にある深い傷に触れる事をきっと怖れているのです。


「あいつは、器用な生き方が出来る奴じゃないからな……。」


ぼそりとそう言った皎の横顔が妙に幼く感じられて、わたしは手を伸ばしてそっと触れてみました。


ひやりとする大理石のように滑らかな肌に触れたわたしの手を皎はマグカップから離した手で取り、千両の実のごとくに紅い唇へ運んで、またキスを降らせました。


指先から再び魅惑の感覚が伝わってきます。


そのあまりのめくるめく感覚に、わたしは耐えられずに目を閉じてしまいました。