夜  話  

その顔には迷いも涙もなく。


晴れやかに。


ただ静かに。


浮かべられた笑みがあるだけだった。


「すまない。」


少し照れ臭そうに、星見はゲンにそう告げた。


「人外というものは夜の世界の住人だな。こんな時間まで突き合わせてしまって、すまなかった。」


星見はそう言うと、するりとゲンの腕から抜け出して立ち上がった。


その足元でガチャリと響いた重そうな金属音に、ゲンが目をやると星見の華奢な足首から延びている鎖が見えた。


その鎖を目にした瞬間、ゲンの中に爆発的に膨れ上がるような感情が生まれた。