夜  話  

「いいぜ。」


わたしの願いは叶ったのでした。


「ずっとは無理だが…そうだな。10日程なら、ここへ来たとしても、支障はないだろう。」


それぐらいでいいか、と聞いてくれる彼は、なんだか可愛く感じられて、わたしは自然に笑みが浮かぶのを止められませんでした。


「うれしいわ。」


そう言いながらわたしは右手を差し出しました。


彼と、握手をしたかったのです。


しかし、彼はわたしの手をうやうやしくとると、ひざまずき、くちづけを落としました。


「あ…!」


彼のくちづけた所から、何かが流れだして行くような感覚に、わたしは小さく声を上げてしまいました。