夜  話  

「ならば、お前に見える所まで離れるか?」


ゲンがそう問うと、星見は首を振り否、と言った。


「私がはっきりと見える所だと、声は届かない。声が届くまで近づいたなら、姿は捉えられはしない。」


そう告げる声には、嘆きの色も、諦めの色もなく、ただ、事実がそうであると。


そう告げるだけのものでしかなかった。


ただ静かに自分の置かれた場所を受け入れているだけのように見える星見に、興味を持ってしまった事をゲンは強く自覚していた。