夜  話  

「あぁ。薫りはな。」


頷く皎に、わたしはそれじゃあ、とマグカップを手渡しました。


「しばらく、薫りを愉しんでいて?わたしが飲むには、まだ熱すぎるの。」


先刻までミルクパンの中でくつくつと煮えていたスパイスティーは、豊かな湯気を次々に生み出しながらまだ火傷しそうなほど熱い存在であることを示しています。


少し猫舌気味なわたしがその味を愉しめるようになるまでには、もう少し時間が必要なようでした。