夜  話  

そこで言葉を途切れさせたわたしの肩を、皎はそっと抱き寄せてくれました。


「辛い思い出なんだったら、無理に話さなくてもいいんだぞ?悲しい気持ちは身体に響く。」


わたしを気遣って、皎はそう囁いてくれます。


わたしは皎の胸に身体を預けて、心配してもらえた幸せを噛み締めました。


こんなに綺麗で、この世の者とは思えない程に美しい月の使いが、わたしの事を心配してくれている。


そう思うだけで身体が震え出しそうなほどに、心は喜びに満たされるのでした。


例え、彼がわたしには手の届かない世界の住人であるという現実に、その後打ちのめされることがわかっていたとしても。