夜  話  

「それが、わざわざ降りて来た理由だよ。」


彼はそう言うと、わたしに向かって、その雪花石膏のような白い腕を伸ばしました。


「返してくれないか?おまえが取り込んだ『月の光』を。」


「返す…の?」


わたしはまるでオウムのように、問い返してしまいました。


「そう。おまえは、あまりにも今宵の月を見つめすぎた。ありえないくらい、大量の『月の光』を取り込んでしまったってのに、気付いてないなんて、どれだけ鈍感なんだ?」