夜  話  

最後の音まで歌いおわる前に、わたしは彼が言わんとしていることがわかりました。


夜空に向かって伸び上がってゆく、わたしの歌声は、未だかつて、自分でも経験したことがない程。


美しいものへと、変わっていたのです。




「…どうして?」


そう、彼に問う声さえも。


気付いてみれば、話にならないぐらい、ふだんの声からかけ離れて美しいものになっているのです。