夜  話  

優しく夜風に舞ったその音は、わたしに、昔好きだった詩を、思い起こさせました。


そして、その思い出につられて、わたしの口からは、あの懐かしい歌が、心の泉からあふれだすように流れだしたのでした。


「菜の花畑に、入日薄れ」


昔、大好きで、母に何度も何度もせがんでは、歌ってもらった歌。


歌を聞くたび、歌うたび、わたしの目の前に浮かぶ景色は、けぶる山並みと、咲き乱れる菜の花と。


大きな、大きな。


月。