夜  話  

そう言って帰国を許さぬ王を取り巻く者達も、ただただ王の言葉に頷くばかりで、どれほどの時が経ったとしても、ユウの願いは。


ただひとつきりの、その願いは。


叶うことはないように思われるのだった。



そして、その事を漏れ聞いたユウは、王宮を飛び出して大地にその身を投げ出し、零れそうになる嗚咽を飲み込みながら。


悲痛な声で叫んだ。


「豪華な家も、栄誉も、贅沢な生活も、私は望みはしていないっ!
私はただ、自国に帰りたい。
ただそれだけを望んでいるだけだと言うのにっ!」


そして、空に浮かぶ月に向かって願った。


「故郷へ帰る事が叶わないというのであれば、せめて、私をここではない場所へっ!」