夜  話  

「あっ!ご、ごめんなさいっ!」


漸く、我に帰ったわたしは、なるべく彼の顔を直視しないようにしながら、謝りました。


いくらなんでも、話し掛けた相手が、自分を見つめたまま惚けているのは、遭遇して楽しい事態ではないでしょう。


「いいさ。そんなことは、これが初めてってわけでもない。」


ところで、と彼は続けました。


「俺はあんたに用があって、わざわざ地上まで降りてきたんだが、その用を済ましていいかな?」