夜  話  

怒ったような顔をして、そんな意地悪な言い方をする皎が、本当は照れているだけなのだという事も。


素直に心配してくれた事を告げられないでいるのはシャイであるからだけだという事も。


わたしはもう知っていました。


ですから、わたしは離れてしまった皎の手を取って頬を寄せ、そうして、その手の甲に自分から口付けました。


「………いつも心配させてしまって、本当にごめんなさい。」


そう謝罪して皎を見上げると、彼はわたしをじっと見ながら小さく首を振り、いや、と呟きました。


そして目を逸らすと、ふいに背後を見返り、彼の月を見上げたのです。