夜  話  

「だからね、下の世界でちょっとした事故に巻き込まれたときも、そこで終わってしまう事にはそんなに残念な気持ちにはなれなかったな。
むしろ、ようやく再び空に上がることが出来るって感じで。
そしてその時に、僕は存在のすべてと引き換えるぐらいの想いを込めて、兄神様にお願いしたんだ。
ほんの一目だけで結構ですから、妹神様に逢わせて下さいって。」


淡く微笑みながらそう言ったカラの表情は、願いがかなって満ち足りていると、はた目にも理解るぐらいの表情だった。